響き

BARとボサノヴァ、ローカルな旅、響きあう時間

  1. TOP
  2. 身体
  3. 特集:姿勢改善と身体の使い方
    <第7回>『背筋は伸ばすな』前段
    直立二足歩行という精妙な仕組み

特集:姿勢改善と身体の使い方
<第7回>『背筋は伸ばすな』前段
直立二足歩行という精妙な仕組み

前回までいろいろやってみて、力任せで姿勢を維持することはできないのだなということが分かって来ました。あたりまえか。

今回は背筋は伸ばすなというお話です。

背筋は伸ばすな ― 姿勢のメカニズムとその治し方 ― (第二版改訂版) | 山下 久明 |本 | 通販 | Amazon
生物進化の方向性と基本的な物理法則、それに加えてある人物の天才的ひらめきをもってすれば、ヒトはどういった仕組みで直立二足歩行を完成させたかがみえてくるのです。それは既存の各エキスパートにしてみれば、とても認めたくはない結論かもしれません。しかし、科学の眼を持つ人であれば、人体の洗練されたアーキテクチャにきっと心を動かされることでしょう。

「直立二足歩行」の「直立」って何か?

人間は直立二足歩行していると言われます。類人猿も二足歩行したりしますが何が違うのか?

直立ってわざわざついてる意味があったんですね。まっすぐ力がかかってるってことなんですか。知りませんでした。

確かに他の生き物で四つ足のものはもちろん、二本足で立ってるっぽいのもぜんぶ膝が曲がってますね。ペンギンも胴体の中で膝を直角に曲げた格好(空気椅子!)になってるそうです。

お腹の脂肪が重すぎて「よっこいしょー」って抱えて持ち上げてるような具合になってます。

なので、史上初、膝や股関節を曲げなくていい動物である人間は、常に筋肉で膝と股関節を伸ばしておかないといけない。背筋じゃないですよ。膝と股関節。その時に使うのがヒラメ筋(ふくらはぎ)とハムストリングス(ももの裏側)。

いろんな本で「抗重力筋」と呼ばれてる筋肉群の一部ですね。

そもそも倒れやすい、それがいい

人間の身体は前に倒れやすくできている。四つ足が二本足になったんだからそういうつくりになってる。

こちらの記事によると前に傾いた身体を背中の筋肉で無理やり起こすと骨盤前傾となります。腰痛持ち。

ぽっこり腹や腰痛の原因にも 「反り腰」を改善 日本経済新聞
もともと人間の体は、前側に重みが偏っている状態なんです。

テントのようなバランスでふいごのように立つ

では一方、うまいこと膝と股関節を伸ばして「まっすぐ」立っているとして、それが倒れないようにするにはどうしたらいいか。

立っている棒を後ろ方向に少し倒しておいて、前から引っ張る。テントの柱の立て方と同じですね。柱1本とロープ2本で三角に支え合う。これなら少々動いても大丈夫です。

カインズ How to | テント・タープの張り方
ロープの長さを調整して、ロープとタープの重みでポールが自立するようにします。

後ろに倒すっていうのが先ほどの抗重力筋。弾力をもちつつ膝と股関節を伸ばす。そのままじゃ後ろに飛んで行っちゃうので腹筋でちょっと引っ張っておく。腰は力が要らないので痛くならない。

変形しつつ縦(軸方向)に支えることができるという背骨の特徴を生かした立ち方です。

実際に腹筋は「あばらを通じて」背骨の上の方につながっている。「あばらを通じて」ですから、お腹を曲げるんじゃないんです。肋骨の上の方まで使って大きく引っ張る。テントのロープのように。

こういう仕組みで、上半身は背骨、肋骨+腹筋でピラミッドみたいな形になってます。著者の表現では「ふいご理論」。ふいごに空気を入れたらピョンと立つ。背筋が伸びるってそういうことだったんですね。それなら力まずにいけそうだ。

腹筋で背骨を引っ張ると、逆に骨盤を起こすことにもなって、内臓がちゃんと支えられるという寸法です。丹田に気を入れようって感じですね。

後日追記:
腹筋で引っ張る、テンションをかけておく、というのを「お腹が膨らんでる感じ」と感じとれれば、先ほどのふいご理論と整合的ですし、お腹と言わずお尻も脚も全部膨らんでる感じとして感知すれば、野口整体の「身体は水が入った袋だ」というのに通じる気がします。
お、なんか座りやすくなって来たぞ。

判定

  • いい姿勢をとると、背筋を伸ばしたような美しさはなく、むしろ棒立ちに見える
  • 膝・股関節が曲がってるかどうかは判定が難しいので、O脚の程度で判断する
  • 腰が曲がってるかどうかは、壁に背中をつけて隙間の大きさで判断する

中段に続く。

特集:姿勢改善と身体の使い方