響き

BARとボサノヴァ、ローカルな旅、響きあう時間

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弦の張力比較 〜サバレスの弦〜

対象弦

サバレスは高音弦については標準的な「ニュークリスタル」とカーボン弦である「アリアンス」の2ラインがあり、それぞれにノーマルテンションとハイテンションがある。

また、低音弦については反応の良い「コラム」とより躍動的な「カンディーガ」のほか「HTクラシック」があり、それぞれにノーマルテンションとハイテンションがある。

これらの高音弦と低音弦を組み合わせてセット弦が発売されており、選択肢は多様である。

高音弦ニュークリスタル×低音弦カンディーガのセットに対して、3弦のみテンションが高いアリアンスに換えた「クリエイション」というセットもある(ユーザーの動きにメーカーが追随した)。

また、これらとは独立して、主にフラメンコ用と考えられている「ピンク」のセットがあるが、今回はデータが無かったため対象になっていないのが筆者としては大変心残りである。

カンディーガにはポリッシュ弦がある。テンションは高めである。今回は煩雑さを避けるため割愛した。またカンディーガプレミアムという高級弦もあるがこれも割愛した。

ノーマルテンション

まず、ノーマルテンション弦について比較してみる。

出典:現代ギター2018.12月号(No.662)

高音弦ではアリアンスとニュークリスタルで大きな差がある。アリアンスは1弦のテンションが絶対値として非常に高い。

低音弦3種については大きな差がない。響きや減衰特性で選べば良いだろう。実際、コラムとカンディーガの引き心地や音色は結構違う。

ノーマルテンションについては5弦より6弦のテンションが高いのが特徴である。ただしこれがサバレスの考えるあるべきテンションバランスなのかについてはセット弦の項を参照していただきたい。

ハイテンション

次にハイテンション弦を見てみよう。

出典:現代ギター2018.12月号(No.662)

ノーマルの時と同様、高音弦ではニュークリスタルとアリアンスのテンションに大きな差がある。アリアンス1弦のテンションは9kgを超えており非常にテンションが高い。プロアルテの記事でカーボン弦を取り上げなかったが、改めて比較が必要かもしれない。

一方、低音弦では主力2種(カンディーガ、コラム)にテンションに大きな差がない。響きや減衰特性で選べば良いだろう。HTクラシックは数値としてはフラットなバランスで体感では6弦を固く感じるかもしれない。

主要弦全体比較

最後に、主要な弦に絞って全体を俯瞰してみた。

出典:現代ギター2018.12月号(No.662)

高音弦

整然とした並びである。また、同じシリーズであればノーマルテンションとハイテンションの差が小さく(と言ってもそれなりの差はあるのだが)、例えば、ニュークリスタル(青)のノーマルテンションをハイテンションに変えるより、「ノーマルテンション」のままアリアンス(赤)に変えたほうがテンションが高い。

従って、気に入った弦であれば気軽にノーマルテンション、ハイテンションを入れ替えてみて響きの好みで決めるという選び方もできる。

低音弦

この図を見て分かるのは、ノーマルテンションの低音弦の傾向である。本来は5弦より6弦のテンションが下がるのが自然であるが、6弦のテンションが下がりすぎるのを嫌ったためか5弦よりテンションが高くなっている。コラムに至っては、おそらくハイテンションと同じ弦である。

テンションが弱いセットで6弦のテンションを下げすぎない。これはオーガスチンの黒でも見られたセッティングだ。

ここから想像できることは、低音弦については、ノーマルテンションとハイテンションで弾き心地というか、指で感じる弦の硬さの差は大きくなく、むしろ音の響きで選ぶべきであるかもしれないということだ。

6つの弦が入ったセットで見た場合

高音弦ではニュークリスタル(青)かアリアンス(赤)かで大きくテンションが違うので、低音弦と高音弦のテンションバランスを変えたい場合に有効である。

これに比べれば、低音弦のみハイテンションにしたセットは微調整というか、より精緻なバランス変更をもたらすことになる。

点線で示したクリエイション(紫破線)は、3弦が柔らかすぎると感じた場合に非常に有効なセットだと思われる。場合によっては2弦もアリアンスにすることもアリだろう。